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「それに、この前も言ったけど、泣いてる女の子を帰すほど、俺は冷たくない」
気付かれていないと思っていた涙を言い当てられ、思わず身体が強張る。
「俺が気付いてないとでも思ってた?」
部長が愛でるように髪を撫でてくる。
そっと持ち上げられた私は、シンク横のカウンターに座らせられた。
顎に添えられる長い指に、顔の角度をあっさりと変えられた。
「どうしても、帰したくない」
唇がつくかつかないかの曖昧な距離を味わうように、キスをする角度を保つ部長は、やっぱり私の反応を見て楽しんでいるだけなの?
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