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「今日も放課後補習なんだけど…… 」
「よかったじゃん」
「何が!?良くないから!!今日は家に早く帰って水戸黄門の再放送見たかったの!!」
「なんてしょうもない理由」
「千波手伝ってよー……」
「は?なんであたし?」
「暇そうじゃん」
「コノヤロウ」
あたしはため息をついて花音の頭に手を置いた。
「花音が『手伝って』って言うって事は、今日の補習はプリント終わらせたら帰っていいよの補習か」
「その通り」
「ちょっとは自分で考えたりしないと、また補習になるよ?」
「考えてるから!でも追いつかないの!!」
「分かった分かった。手伝ってあげるから」
花音が感動しながら私の手を握る。
それから手を何度も振った。
昼休み。
何故かもう恒例になってしまった吾妻くん達とのご飯タイム。
「ごめん、吾妻くん。今日花音の補習付き合うから一緒に帰れない」
「奇遇だな。俺も深影の補習付き合うから無理だ」
「え?」
「深影に泣きつかれたんだよ」
ため息をつく吾妻くん。
確かに言われてみれば小島くんも元気ない。
小島くんも補習常連なんだっけ。
あたしは苦笑いでカレーパンを頬張った。
「意外と面倒見いいんだ」
「なんだそれ。お前喧嘩売ってんだろ」
「だって普段の吾妻くんからは想像出来ないもん。冷たいし」
「馬鹿言え。俺は比較的優しい方だ」
「どの口がそういうのか」
そんな事を言っていると里奈があたしの隣に来た。
「何二人でイチャついてんのよ」
「あはは、いいだろ」
あたしのセリフは棒読みだ。
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