花音と小島くん

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放課後。 里奈と夕と別れて補習教室へ花音と向かう。 隣で花音が何度目か分からないため息をついた。 「はあ……」 「そんなに嫌なら勉強すればいいのに」 「勉強するなら死んだ方がマシ」 「それは追い詰められすぎてない?」 教室に着くと何人か生徒がいた。 どの人もギャルとかヤンキーだ。 いかにもリア充してますって雰囲気が漂っている。 「おー!花音!やっぱ来た!」 一人のヤンキーが花音に声をかける。 それに続いてギャルや他のヤンキーも花音に声をかける。 花音が誰とでも仲良くなるのは昔から知っている。 でもこんなリア充の友達がいるなんて聞いてない。 「やっぱって言うな!」 「でも来てんじゃん。深影ももうすぐ来るでしょ」 「なんで小島なの?確かに毎回小島いるけど」 「だから今回も来るんじゃん。てか花音の幼馴染みじゃん!連れて来たの?」 あたしを見てそう言うヤンキー。 こういう人種、苦手なんだよなぁ。 「今日はプリント式って聞いたから助っ人。こう見えて人並みに勉強出来るから、ウチの千波」 「人並みとか言うなよ」 思わずつっこんでしまう。 何故か周りが爆笑に包まれた。 なんで。 「千波って言うんだ、めっちゃ面白いじゃん」 「でしょ?自慢の幼馴染み」 花音にそう言われて少し嬉しい。 あたし、花音が幼馴染みで良かったな。 里奈みたいに吾妻くんが幼馴染みだったら、今頃あたしはこの世にいない。 花音の隣に座って補習が始まるのを待っていると小島くんと吾妻くんがやって来た。 吾妻くんが入って来た事に驚くヤンキー&ギャル。 ギャル達なんて乙女の顔してる。 相変わらず凄いな。 そこに立ってるだけで魅了してしまう吾妻くん。 羨ましい……。 こんな人、好きになったら相手にも必ず好かれるんだろうなって思ってた。 だけど吾妻くんと話して、そうじゃない事を知った。 吾妻くんはスタスタとあたしと花音の所まで来るとあたしの後ろに座った。 .
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