第38章:ウェディングドレスの功罪

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奈央子は野城の手首を引っ張り、ゴミ箱からさらに少し離れ、廊下の端の方に行った。そして、人のいない廊下に入った。 「ここなら、盗聴器に私たちの声は届いてないよね?」 「でも周りが静かだからね。でも小声に越した事はないと思う。太田さん、僕、時間ないんだけーー」 「優が、ちょっと大変なことになっているの………っ」 奈央子は一気に喋った。 優が昨日、トイレから帰って来なかった、本当の理由。 優から届いたメールの内容。 乗組員にお弁当を頼んだ理由(わけ)。 犯人からの"指示"のこと。 咲のこと。 今日 観光を休む目的。 話終えた時、奈央子の心臓はバクバクしていた。 私、言った・・・・ 言ってしまった
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