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一方その頃。
乗客が行き来する通路で、一人の若い男性の乗組員は、手に無線機を当てていた。
「ロイ様。彼女は今、パンをゴミ箱へ捨てました」
『何だと?』
「また あの少年の仕業です。見るからに、彼女に好意を抱いてるらしい」
『あの少年?誰だそれは?』
理事長の部屋ではレイが、無線機を手に、誰かと会話している姿を、優はクロワッサンを食べながら見ていた。
優には無線機から漏れる相手の声は聞きとれないが、それでも全神経をレイの発言に集中させていた。
「分かった。もうパンは諦めろ。尾行と監視へ変更だ」
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