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「ねえ、もう一度聞くけどさ。君、何の用?」
「だーかーら。たまたま会ったんですよ、俺たちは」
そんな訳ないだろう。森山はじろりと要を睨んだ。
生意気な年下だ。いじめに遭っていたというのは、本当だろうか。とても信じられない。
「俺に話があって来たんでしょ。柊に聞かれて困る話?」
「さすが、先輩。大当たり」
「…………」
しれっ、と言っていることを変えやがって。森山はあきれて嘆息した。
これまで要は、「バイト先のツッパリ店長武勇伝」だとか、「ツンデレクレーマーおばさんの話」だとか、
とにかくくだらない話題を提示し続けていた。
まるで、柊が帰るまでの間を繋ぐかのように。
辺りは暗い。ファミリーマートがぼんやりと明るい。
「俺が犯人だと言えば、あなたはどうしますか」
「ん、はんに……、え?」
あまりにもさらりと言うから、聞き逃しそうになった。
「はんにん」って何だ。
犯人?
何の。
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