第三章 距離

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* 「ねえ、もう一度聞くけどさ。君、何の用?」 「だーかーら。たまたま会ったんですよ、俺たちは」 そんな訳ないだろう。森山はじろりと要を睨んだ。 生意気な年下だ。いじめに遭っていたというのは、本当だろうか。とても信じられない。 「俺に話があって来たんでしょ。柊に聞かれて困る話?」 「さすが、先輩。大当たり」 「…………」 しれっ、と言っていることを変えやがって。森山はあきれて嘆息した。 これまで要は、「バイト先のツッパリ店長武勇伝」だとか、「ツンデレクレーマーおばさんの話」だとか、 とにかくくだらない話題を提示し続けていた。 まるで、柊が帰るまでの間を繋ぐかのように。 辺りは暗い。ファミリーマートがぼんやりと明るい。 「俺が犯人だと言えば、あなたはどうしますか」 「ん、はんに……、え?」 あまりにもさらりと言うから、聞き逃しそうになった。 「はんにん」って何だ。 犯人?  何の。
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