二人乗り

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「どうだろうね。 うまくいくといいね。」 「お前が冷めそうだよ。」 「いや、あんたでしょ。」 ふふっと笑い合って、 私たちはまた黙り込む。 冷えた風が吹く。 私たちの間をすり抜けて 一体どこへ向かうのだろうか。 彼に触れる手。 聞こえる吐息。 感じるぬくもり。 いつか、消えて無くなってしまいそうで、怖くなる。 暗い住宅街を出て、車通りの少なくなった交差点を渡って、 静けさに包まれた土手を通る。 所々におかれた電灯が、時折私たちを照らした。 「不安だけどさ、私たちなら なんとかなる気もするよ。」 私の言葉に、彼は、うん、と言う。 「会えないのってすごく辛いんだろうなって思うけど、だから、 電話とかたくさんしようね、 たまには会いに行ったり来たりしてさ。」
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