ペナルティルーム

ペナルティルーム 2部

『田中一郎には絶対に負けたくない！　いくら課金しても絶対に勝つ！』

克は強気だ。だけど、田中一郎も勝つために必死で課金してくるはず。
私も課金しなくちゃ！
だけど、それ以上に田中一郎が課金してきて、課金勝負になったら？
勝ちたいのはもちろんだけど、ハピコミバトルを楽しめないのは嫌だ。

『俺もいくら課金しても勝ちたいけど、俺たちが田中一郎を気にしているのは勝つためじゃなくて、田中一郎が俺たちに近づいてきた目的だろ？　勝つ事に気を取られて1番大事な事を見失ったらダメだよ』

さすが、拓。冷静に考えている。
そうだった。田中一郎が私たちに近づいてきた目的を知りたいのに、ゲームに勝つ事ばかり考えちゃダメだ。

『そうだな。まずは田中一郎の出方を見ながら勝負しよう。田中一郎の集めてきたメンバーも気になる。田中一郎はただ俺たちとバトルをしたいだけじゃないだろうから、バトルが終わったらメッセージを送ってくるかもな』

マサの言う通りかもしれない。

『ああ。とりあえず、様子を見ながら勝負しよう。もちろん負けたくないけど、みんな、大事な事を見失わない様にして。
田中一郎からメッセージが来たら、みんなで共有する事！』

拓のメッセージにみんなが『了解！』と返信する。