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田中一郎は投げられたショックなのか、立ち上がる事も出来ずにいる。
「罪を償って、もう一度やり直しなさい。幸い犠牲者はいない。そんなに長い間拘束される事もないだろう。出てきたら、今度こそ、その技術を善のために使いなさい」
佐藤探偵が田中一郎を説得したが、田中一郎は項垂れたままだった。
ピンポンピンポン
インターホンが鳴り、佐藤探偵がドアのロックを解除すると、刑事さんが2人入ってきた。
「田中一郎、女性を監禁した容疑で逮捕する」
田中一郎は立ち上がり何か言い出そうな表情を浮かべながらも、刑事さんの言葉に従い腕を前に出した。
「佐藤探偵、ご協力ありがとうございました。南さん、事情をお聞きしたいので、署まで来ていただけますか?」
刑事さんに言われ、「わかりました」と私が答えると、「南さんはまだショックが大きいので、落ち着いてから私が署まで送っていきます」と佐藤探偵が言ってくれた。
「わかりました。よろしくお願いします。じゃ、田中行くぞ」
田中一郎は刑事さん2人に連行されて行った。
「南さん、怖かったでしょ? 先に事務所に寄って、拓や克と話してから警察署に送りましょうか?」
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