†絶望†

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†絶望†

今日は沙也加の葬式だった 沙也加は交通事故にしては驚く程綺麗な死に顔だったそうだ 生きてる沙也加の笑顔の方が綺麗に決まってるのに みんなが俺を哀れみの目で見て来る ずっと一緒のダチでさえも ウザくなる かわいそうなのは俺じゃなくって 沙也加の方なんじゃないのか あと十年もすればみんな沙也加の存在を忘れる 涙が出ない 本当に悲しい時って涙さえ出ない 自分が今までどうやって生きてきたのかが分からなくなった 「まぁ山下…。そんな落ちるなよッッ!!悲しんだって沙也加さんは戻って来ないぞ」 誰だっけコイツ あぁ…担任か ウザい 「…あんたに俺らの何が分かるんだよ…」 「…!?お前誰に向かって口きいてるんだ!!」 あんただよ…おっさん 担任は赤い顔して怒っている その日を境に敦志は学校へ行かなくなった 自暴自棄になり 悪い仲間とつるむ様になり、犯罪まがいの事もやった 消えない悲しみ 深い絶望感 敦志は早く沙也加の元へと行きたかった でも…ダチが毎日会いに来て励ましてってくれる 「頑張れ」 とも言わず…ただ今日の出来事を敦志に話すだけ…。 だが…それだけが心の弱った敦志にとっての救いだった やがて季節は巡り…受験シーズンに。 元々頭の良い敦志は大した勉強もせずに県トップの高校に入れたそうだ。 ただ…卓也を始めとするメンバーは… かなり勉強したそうだ
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