第1章

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青鬼は鬼の里の嫌われ者で、鬼の里を出て暮らしていましたが、不思議と赤鬼を気に入り、時折訪ねてくることがありました。 「なになに?わたしは心の優しい赤鬼です。人間と仲良くなりたいです。おいしいお茶もご用意してます。いつでもお入りください・・なんだこりゃ。」 「やぁ、青鬼くん。久しぶり。」 青鬼の来訪に気づいた赤鬼はうれしさで顔を真っ赤にして走り寄りました。 「こんな立て札立ててどういうつもりだ?」 青鬼は赤鬼がつくった立て札をしげしげと眺めて首をひねりました。 「どういうって・・人間と仲良くなるためさ。」 「無駄だ。無駄だ。やめときな。人間がいかに警戒心が強くてずる賢い奴が知ってるだろ?こんな立て札立ててたらかえって罠にはめられて命を落とすぞ。」 青鬼はあきれたようにそう言うと、首をすくめました。 それは青鬼の癖でした。 少し嫌味っぽい仕草で、そういう青鬼の癖が鬼の里では嫌われていました。 「そういうなよ。青鬼くん。君はうたぐり深すぎるんだよ。」 「まぁ、うたぐり深いのは認めるさ。なんせこの性格を疎まれて鬼の里にもいれなくなっちまったくらいだからな。でも言っとくがおまえさんのためを思って言ってるんだぞ。」 「わかってるよ。青鬼くん。鬼の里でボクをかばってくれたのは君だけだもん。」 赤鬼もまた、鬼の里では青鬼同様の嫌われ者でした。 ただ、それは青鬼が嫌われる理由とは少し違うものでしたが。。 「お互い嫌われ者同士だったからな。まぁ、オレはこのひねくれた性格が災いして嫌われたわけだから、自業自得ってもんだが、おまえさんの場合はおまえさんの責任じゃないからなぁ。気の毒なこった。」 「・・その話はいいよ・・。」 「よくないさ。おまえさんが、人間と仲良くなりたいのは、おまえのおっかさんが人間だったからだろ。だからおまえは人間と仲良くなりたいんだろうが、それはやめといた方がいい。」 「・・・。」 「おまえのおとっつあんは、人間の騙されて殺されちまった。人間ってのはそういう奴なんだ。てめぇらの理屈や常識と合わなきゃ、ケダモノのようにこっちを襲ってきやがる。」 「青鬼くん・・。」
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