磁石

7/11
641人が本棚に入れています
本棚に追加
/347ページ
今さら手遅れだけど… いつまでも店内で、2人の世界やってるワケにもいかず… 休憩だったアタシは、 ナオとすぐ近くの自宅に移動した。 プレゼントされた大量の向日葵も一緒に。 歩きながら… ナオが嬉しそうに眺めた首元には、 ティファニーのペンダントが光ってる。 「よくココ(店)がわかったな? 親に聞いたのか?」 まぁ、それしかねーけど。 「いや… 智和からA県ってのは聞いてたから、 とりあえず自力で探そうと思って…」 「自力で!?バカじゃねーのか!? つか、よく見つけたな…」 呆れるアタシに… 楽し気に笑い出すナオ。 「ん、けっこー余裕だった! 咲陽、アシ(免許)ないから中心部に居ると 思ったし、 絶対… 花屋で働いてると思った…」 なんでそー思ったんだ!? それって… ー「子どもの頃ってさ、 …何になりたかった?」 「花屋さん…」 「" 今 "じゃなくても… " いつか "があるよ」ー アタシの"いつか"、 覚えててくれたんだな… 「それに… オレらは磁石だから… 引き寄せられて、辿り着けると思ってた」 「磁石!?」
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!