第1章

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梛自身は全く気付いていないようだが その為にホームルームでは担任の男性も目が離せないでいる… 「梛風邪なら保健室でテスト受けろ」 最後に言い終わると梛も担任の先生の後ろから教室を出て行った 男子は梛に元々興味がなかったのか見向きもしていなかったが 数人は顔を薄っすらと赤くしていた その一方女子達は 「ヤバくない?」 「もはや誰だよ」 「スッピンでアレ…化粧してるより断然綺麗じゃん」 などとテストのことを忘れ騒いでいた その頃保健室の扉の前で担任が 「今日のテスト終わったらホームルームいいから直ぐ帰れ 無理そうなら保健室の先生に行って早退でも大丈夫だぞ」 梛は普段は絶対にしないであろう上目遣いで 「大丈夫です、ありがとうございます」 と言って早々に保健室に入った 「一様保護者に電話しとくからな」 と言う声は扉の閉まる音に消されてしまった 三教科のテストが終わると担任が戻りホームルームを始めたばかりの頃1人の男性が教室の前に来た コンコン 「失礼いします…梛の父親なんですけど梛の机は?」 「あゝあちらです、すみません梛さんの鞄を保健室に届けるのを忘れてしまいました…」 翔悟は営業スマイルを浮かべると 「良いんですよついでになりますが同室の生徒さん達のお顔も拝見出来ましたから、 それでは失礼いたしました」 と言って出て行った… テストが終わってから五月蝿かった教室は翔悟が出て行くとますます五月蝿くなった さっきまで起きていた梛は翔悟が迎えに来たことにより戻って来た時には眠っていた 運転手に鞄を持たせると上履きを脱がせ保健室の先生に預け お姫様抱っこに持ち上げ車に向った 当然翔悟が脱いだスリッパは運転手が片付け車のドアも開ける…
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