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【Side 和緋】
季節外れにやってきた転入生は容姿も態度も、回りとは全く違っていた。
一言で表すなら『純粋』
それがよく似合う様な子。
「お前、そんな笑い方してたら友達できないぞ!!!」
初めて会った彼は俺に向かってそう言った。
その言葉が暖かくて、彼の眼差しに本当の笑みを見せていた。
それから彼が気になり追いかけているうちに仕事をしなくなった。
恋人の輝雅はなんでも1人でこなせる完璧人間。
仕事だって他の役員の分までしっかりこなしている。
彼に俺は必要ない。
でも、海は1人にしておけない危うさがある。
だから俺は海を選んだ。
嘘をついた。
恋人なんかいないって。
輝雅の気持ちも考えずに、無かった事にした。
別れを告げることもせず。
その時はその方がいいと思ってしまったから。
その後彼を見れなかった。
彼に言われるがまま、海を連れて生徒会室を後にすると、それ以来そこに近づかなくなった。
忘れていたんだ。
何故君を完璧人間だなんて思ったのだろう。
忘れてはいけないコトがあったのに。
俺が注意して見てなくてはいけなかったのに。
俺がバカだった。
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