[1]はじまりとおわり

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季節外れの転入生がやってきたのはゴールデンウィークを過ぎて少ししてから。 迎えに行ったのは副会長の柳瀬和緋。 何を隠そう、俺の恋人だ。 転入生は初対面で和緋の胡散臭い笑いを見抜いたらしい。 上機嫌で帰ってきた彼に少しイラッとしたのは内緒だ。 仕事を早く切り上げた和緋は、いつもなら俺の部屋で一緒に夕食をとるのだが、今日は珍しく食堂に行くと言い出した。 それに、会計の酒場悠志と書記の池上雫・涙の双子がついていくと言い、後を追った。 俺は食堂に行く気にはなれず自室へ戻り軽い夕食を作ることにした。 その時の俺の目を見ない和緋の後ろ姿が何故か楽しそうで、怒りと悲しみと、もう駄目かという諦めが俺の心を支配した。 それでも、まだ少し期待していた俺が馬鹿だったのかな。
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