[4]伝えられる想い

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【Side 久遠】 遅かった。 料亭に着く頃には東城はすでに行動に移していた。 車へと戻り運転席に座りながら考える。 奴の行きそうな場所。 東城の別荘はこっちにはなかったはずだ。 となると、考えられるのは宿泊しているホテルか。 しかし確証はない。 ん……? そうか! あるモノを見つけ、スマホを開き電話をかける。 「GPS……、GPSは!?久遠さん!!」 海斗が助手席で騒いでいる。 こいつは本当にまだまだだ。 「相手だって金持ちだ。GPSが輝雅様につけられてることくらい見抜いてる。さっきからコイツは料亭から動いていない」 手に持っているスマホには赤いランプがずっと点滅している。 本当に。 舐めた真似をしてくれる。 早乙女をバカにしてるのか。 『見つかりました』 耳に着けていたイヤホンから先ほどの電話の相手の声が聞こえた。 告げられた住所はやはり有名高級ホテル。 ビンゴだ。 恐らく奴が宿泊しているホテルだろう。 輝雅様を乗せる時にはあり得ないスピードで運転する。 信号がもどかしい。 イライラする。 こんなところで止まってる時間はないのに。 着いたホテルのフロントで聞いた奴の部屋。 早乙女の秘書だと言えばスンナリとスペアキーを差し出した。 ドアの前、挿したキーが音を鳴らす。 カチャっと言うそれとともに、部屋へと突入した。
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