18人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
____________________________________________
「ちーくん…向こうに行っても 私のこと忘れないでね。手紙書くね。」
「うん。約束だよ。僕も書くね。」
約束の指切りをして、2人の指が離れる。
「じゃあ…、本当にお世話になりました。ま たこっちに帰ってきたときは、息子ともども よろしくお願いします。」
「ほんとに寂しくなるわ…。向こうでも元気 でね。ほら、彩芽。千尋くんにさよならしな さい。」
母に促されて、別れの言葉を告げる。
「ちーくん…、元気でね。またね。」
「彩芽ちゃん、またね。」
母に手を引かれ、父と姉と空港の中へと姿を 消したちーくん。
まだ幼かった私にはとても辛すぎる別れだった。
ちーくんは…、速水千尋くんは、
私の初恋の相手だったから……
最初のコメントを投稿しよう!