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ふっと目が覚めて、こたつに入ったまま寝てしまったことに気付いた。
今、何時だろう…?
ぼうっとした頭の中、時計を見ると午前2時だった。
結構寝ちゃったなぁ、なんて思いながら体を起こした。
目をごしごしと擦って、前を見ると、愛しい人。
「…おはよ。
メリークリスマス!」
パァンッ!!!
会いたかった人がこたつ越し向こうにいるというのに、クラッカーの音に驚きすぎて何がなんだかわからない。
若干棒読みなのもスルーしてしまった。
「…ちょ、ちょっと待って、えーと、とりあえず、お、おかえり?」
で、合ってるのかな?とおろおろしていると、ぷっと吹き出す音が聞こえた。
見れば、やっぱり彼はくくくっと体を揺らしている。
なんとなく、その様子にムッとした。
「……なんで笑うの。」
むすっとした声を出しても、
「笑ってねぇよ」
彼はそうやって優しく笑うから。
振り回されるのは、私ばかり。
「…嘘だ、バカにしてるんでしょ。
この年になって、一人でこんな飾り付けまでして、ってからかってるんだ。」
怒っていたはずなのに、いつも最後は泣きそうになる。
「でも、私はただ、特別な日を、二人っきりで特別に過ごしたかったの。」
だってね、あなたのことが大好きだから。
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