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「あー、いい天気」
季節は5月。
桜の花びらも散り、青葉が目立つようになってきた。心地よい風が赤みがかった茶色の髪を揺らした。
「こんな日に学校とは…」
俺、高瀬翔太は今学校に向かっている。
1ヶ月前に入学式が終わりちょっとは高校生活にも慣れた。高校が地元なため、中学からの知り合いも多くこの高校に通っており嬉しかった。
「今何時かな…?」
ポケットから携帯を出し時間を見た。
『08:50』
「やべ!遅刻する!」
通りで制服を着た奴らを見掛けないと思った。いつも声を掛けてくる友達ももう学校に着いているらしい。
俺は走って学校へ急いだ。
************
「なあ~翔太まだ学校来てねーのか?」
「あー…そういや来る途中見なかったな、遅刻じゃ ね?」
「なんだーつまんねーの」
「おい、俺が居るだろうが」
「えー…お前うざいもん」
「悲しいこと言うなよ…」
ガラッと扉が開く
「はあ…何とか間に合った」
(疲れた…ちょっと走った位で疲れるとは…運動不足かな?)
「おせーぞ翔太」
「おはよ、ぎりだったな」
そう考えていると友達の亮と直哉が声を掛けてきた。
「何してたんだよ」
少し拗ねた顔で亮が言う。
「ちょっとゆっくりしててさあ」
「のんびりだな…」
「マイペースだな」
「?そうか?」
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