第1章

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「はぁ……」 「すずどうしたのー?元気ないじゃん」 帰り道。 『また家遊びにおいで、母さん喜ぶよ』 もうお兄ちゃんじゃないんだ。 でも、また学校で会える。 8年間会えなくてやっと会えて嬉しいんだから。 「ううん、ちょっと明日の数学が嫌だなーって」 「ああ!確認テストやるんだってねー」 明日も海輝に…会えるかな。 ーーーー 『すず、雪が降ってる!』 『ほんとだ!雪だるま作る!』 『……』 『……お兄ちゃん?』 『これ』 そう言ってのせられた、 『…すごい!雪うさぎだ!かわいい!』 『そう?よかった』 そう言って嬉しそうに白い歯を見せて笑うお兄ちゃんが、 『お誕生日おめでとう、寒いからこれつけて』 雪うさぎをのせて冷たい手に手袋をプレゼントしてくれた優しいお兄ちゃんが 「……大好き」
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