第1章

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『海輝ー、早く準備しなさい』 「はーいはい」 村田海輝(むらたみつき)、17歳、 中高一貫校の至って普通の高2。 「やっべ、いってきまーす!」 今日も遅刻ギリギリに家を出る 「村田今日はセーフだ!」 「物珍しそうに言うなよ」 8時28分、ギリギリセーフ。 今日は始業式兼新入生歓迎会がある。 高2になるとそろそろ飽きてくるが、 「サボったら授業の休みカウントだからなー」 担任の鍋島に脅され渋々参加… まさか、あんなことがあるなんて思っても見なかったから。 ーーーーーー 「では、新入生代表に挨拶をしてもらいます」 中1の入学試験の首席による挨拶… 「ねっむ」 「あんたいつも睡眠時間短すぎるんだよ」 横の村井にチョップされながらもうたた寝をしていたその時、 「「可愛いーー!」」 「「スタイルいいし!!!」」 周りの視線が一気に集中する。 「え、なになに…? なんだあの子!」 村井が興味津々で見つめている先を、 「可愛いってだけでなんでそんなに盛り上がってるんだか…」 そう言いつつ気になって目線だけ向けてみる。 そこには高身長、頭脳明晰……性格はわからないが恵まれすぎな外見の持ち主が立っていた。 それも見覚えがある気が… 「私達新入生一同は…… ………中学1年1組、 浜田すず」
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