第1章

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一度、この街にいたことがある。 親が2人とも仕事で忙しくて家に帰れなかったとき、隣町だったここの母の友達の家に預けられた。 私は、その家が大好きだった。 お母さんもいい人だったしなにより…4歳年上のお兄ちゃんがいた。 『すず、遊ぼう』 ひとり知らない家に預けられて寂しかったとき、喋ったこともないのにそう言って遊んでくれた。 家族として大好きだったお兄ちゃん…… 今は、高2…かな。 この学校に来るとき、何度も、 もしかしたら、ここに…そう期待してた。 「浜田さーん、先輩に呼ばれてる」 結局こんな毎日だけど。
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