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「…………そうか。」
「!?」
そういって体が自由になったとおもったら、急に体を先輩の方に向かされ、驚いている暇もなく唇を塞がれた。
え?いま、俺どうなってる?
なんで先輩が俺にキスしてるんだ。
思考が追い付かず、固まってしまった俺をみて、先輩は微笑んだ。
「俺はお前を拒絶なんて絶対にしない。」
もう一度ゆっくりと言い聞かせるように言われたその言葉は俺の強がりなんていとも簡単に崩してしまった。
「………っすき。すき…………なんです、先輩が。大好きなんです。おれはっ、おれはっ……うっ……」
キスをされた驚きで止まっていた涙が一気に溢れだした。
「………ふっ…う………うぅっ……」
正面から抱き締められたまま俺は先輩の肩に顔を埋め泣いた。
俺が泣いているあいだ先輩は何も言わず、抱き締めてくれていた。
「すみません、もう大丈夫です。迷惑かけてすみませんでした。」
そう俺が言えば、いっそう強い力で抱き締められた。
「いいか、一度しか言わないからよく聞け。
俺はな……――――。」
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