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「やべぇ、やっちまった…。」
だけどこいつがあんなこと言うのが悪いっ!
かわいすぎだろ。あんなのまじ反則。勘弁。てかキャラ崩壊しちゃったじゃねーか。あの顔は加虐心をくすぐる…。
でもまさかイッたのに気づかないなんてな……しかも気絶しちまったし…。
しかたない、後処理だけでも……。
そう思い、丁寧に体を拭いていく。
「あ…まじか…」
知らないうちに俺も勃っていたらしい。
「はぁ…」
ため息を吐き、トイレへ向かった。
――――――
「…………ん…」
「あ、起きたか?」
「!?なんでいるんだ。」
目が覚めると、部屋でくつろいでいる姿があった。
「はぁ………あ、耳……」
自分の頭に手をやると、あのふわふわした耳はなく、自分の耳があった。
「なくなってる…」
「おっ、それな、俺がトイレから戻ってきたら無くなってたんだよ。ついでに尻尾もな。」
「そうか………」
自然とため息が漏れる。
このため息の意味が、安心したからなのか、残念に思ったからなのか俺にはわからない。
「それにしてもかわいかったなぁ…猫耳のおまe…ぐはっ」
とニヤニヤしながら言われたから思わず手が出てしまったけど、俺は悪くない。
「ちょ、やめ、いたっ、手だけじゃなくて足も出てるから!!思わずですまないからっ!あいてっ!」
「なんでわかった。」
「いや、心の声だだ漏れだからね!?」
「そうか、ならもっとやっても問題はないと。」
「え………?いや、そういう訳じゃ……ちょ、まって、ちょ……ギャァァァァァァァアア!!」
「悪は滅んだ。ザマァ………………………返事がない。ただの屍のようだ。そうか、死んだか。かなしいなぁ」
「勝手に殺すなばかぁ!!生きてるよっ!つかかなしいとかまじ棒読み!!俺のこと罵倒しすぎじゃね!?」
「うるせぇ。だまりやがれ。てめぇに拒否権なんざねぇ。」
「…………………。グスン」
「きもちわるい。」
「ひどっ!きもいって言われるより地味にダメージでかいっ!!」
「…………………。」
「無視かよっ!!!!!!」
いつも通りのやりとり。だけど、いつもより少し楽しく感じるのは俺の中でひとつの答えが出たからだろう。
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