1人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
…_ペンギンの羽__
叩きつけるような吹雪の中
黒とも白とも区別のつかなくなった塊が列をなしていた。
少しだけ列を外れて目をこらした
視界が悪いせいかどこまでも続いているように感じ、無意識に頭を抱えそうになる…。
まあ、人間と違って丸まって不細工な塊になるんだがな…。
自嘲気味の笑みが浮かぶ。
ふと、自分の手足に目を向ける
寒さに耐えるために進化した
生きて行くには何の不自由もない体
だけれども
むくりむくりと必死になって動かさないと満足に進まないあしも
鳥に部類されながら
飛ぶことをやめたこの羽も
からを破り
この世界と自分の姿を知ったときからずっと
俺はすべてを捨て去りたかった…。
最初のコメントを投稿しよう!