私ペンギンと申します。

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…_ペンギンの羽__ 叩きつけるような吹雪の中 黒とも白とも区別のつかなくなった塊が列をなしていた。 少しだけ列を外れて目をこらした 視界が悪いせいかどこまでも続いているように感じ、無意識に頭を抱えそうになる…。 まあ、人間と違って丸まって不細工な塊になるんだがな…。 自嘲気味の笑みが浮かぶ。 ふと、自分の手足に目を向ける 寒さに耐えるために進化した 生きて行くには何の不自由もない体 だけれども むくりむくりと必死になって動かさないと満足に進まないあしも 鳥に部類されながら 飛ぶことをやめたこの羽も からを破り この世界と自分の姿を知ったときからずっと 俺はすべてを捨て去りたかった…。
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