2人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の名前は山田奏太(ヤマダソウタ)。苗字はダサい(全国の山田さんごめんなさい)のに、名前はまぁまぁかっこいいとよく言われる、ってか自覚している。
俺は去年なんとか無事大学受験を乗り越え、今年二年になる。
そして俺の同居人、大戸町葛(オオトマチカズラ)のことが俺は好きだ。俺は男だ。葛も男だ。
出会った当初はコイツを好きになるとすら思ってもなかった。まず男なんて恋愛対象になかったし。
俺はDカップ以上で160cmを超えるが俺より小さい大人な女性が好きなんだ。年上おっぱいがいいんだ。
それに、馬鹿チビな葛に女ですら惚れる奴がいるのかとも馬鹿にしてた。今でもそれは馬鹿にしてる。
俺が女だったとしてもこんなチビよりももっと背の高い男らしい奴(つまり俺みたいなやつ)を選ぶと思うし。
が、人というのはホント単純な生き物で、落ち込んでいた時に慰められたり、一緒にどっか泊まったり遊んだりなんて仲良くしてたらポロッと落ちちまった。
あんな頭の悪そうな顔したちびに惚れるなんて意外すぎる。頭は俺も悪いが。
まぁ、当然の如くコレを本人に伝える気なんて更々無い。
伝えたってあいつが俺を好きになるわけでもなく、嫌われるのが普通だろう。
俺は今、二人で他の友達をバナナの皮で転がしてみたり、嘘のラブレターを忍ばせてパシらせたり、やりすぎてサークルの先輩にシバかれたりなんていうふざけた日常を気に入ってるし楽しんでいる。
告白して、嫌われて、それが壊れてそばにいられなくなるくらいなら大人しくいつも通りにしてやろう、そう思ってたのだが……
最初のコメントを投稿しよう!