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4人の攻防は、世界でも稀に見る超ハイレベル。
「…夜明けが近いな。」
「?」
弥勒と戦闘を展開していた上杉は、彼の呟きに何かを感じた。
「何だよ、野暮用でもあんのか?」
「別に、できれば早く終わらせてシャワーでも浴びたいと思ってね。服が血臭くて困るんだ。」
「天上天下の大罪人が何言ってやがる。」
弥勒に向かって龍の形を模した魔力体を放った。
バシュ。
「!」
「…おや?」
だが、その魔力体は消し去られた。
「ち、ルシフェルか!!」
「ご名答。」
少年が上杉の懐に潜り込んでいた。
「10連…【瞬連】。」
「!」
10本の刀が、居合斬りの形で構えられていた。
「クソがーー…」
「死ね。」
ズザザザンッ!!
上杉の腹部が、白銀の刀に喰い荒らされた。
ビシャアッ!!
身体強化の練りが甘かった、かなりの出血が見られた。
「く、あ…!こりゃ、暫く欠勤だな。」
「良かったじゃないか、仕事は嫌いだったろう?君は。」
「弥ろ、っぐぅ…!」
弥勒が、上杉に槍を向けていた。
「もう限界だろう?あの白騎士・朝原 竜輝を倒して、まだこうして僕らと戦っている。それだけで脅威的な事だ、万全ならば俺達にも引けを取らないだろう。」
「っぐ、そ、がぁ…!!」
身体は、ハナから限界だった。
「死んで楽になれ、上杉くん。」
名槍三業物にも数えられる業物、ロンギヌスが勢い良く振りかぶられた。
「っ…………!」
死ぬとは、こういう事かと初めて実感した。周りがやけにユックリに見えた。
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