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ーAM3:20ー闘技場ー
白いブレザーに白のパンツと、血痕が目立つ衣服に身を包む少年は退屈そうだった。
「預言ノ仔は、まだか。」
焦げ茶の髪色、そして橙色の瞳は夜明けが近い夜空を見つめる。
『派手にやってんじゃねぇか、‘‘ルシフェル”。』
血を浴び、傷も見受けられる‘‘彼”は突然の来訪者に振り返る。
「オーディン、いや…淀宮 神威だったか?」
「憶えてたか、暁ノ仔。」
神威は少年の一挙手一投足に集中していた。
「霊能者全員の魔力集めて、何するつもりだ?お前。」
「それはお前もだ、全知ノ仔。ソロモンと赤本を手に入れ、何をしようとしている?」
少年の瞳の色は赤ではない、口調は柳井と最後に戦り合った時から元に戻っていた。
「お前に言う義理はねぇよ。」
神威のオッドアイはキッ、と鋭かった。
ィリンッ。
千人斬の能力により、神威のうなじに刀が伸びた。
「ヤメとけよ、ルシフェル。」
ヒュン。
カィン!
即座に首を捻って避けた、流石の【千里眼】である。
「俺の‘‘眼”を忘れたわけじゃねぇだろ?」
「あぁ、試しただけさ。」
敵なのか味方なのか、2人の心の内は未だに探れない。
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