第32話ーLion Heartー

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ーAM3:20ー闘技場ー 白いブレザーに白のパンツと、血痕が目立つ衣服に身を包む少年は退屈そうだった。 「預言ノ仔は、まだか。」 焦げ茶の髪色、そして橙色の瞳は夜明けが近い夜空を見つめる。 『派手にやってんじゃねぇか、‘‘ルシフェル”。』 血を浴び、傷も見受けられる‘‘彼”は突然の来訪者に振り返る。 「オーディン、いや…淀宮 神威だったか?」 「憶えてたか、暁ノ仔。」 神威は少年の一挙手一投足に集中していた。 「霊能者(俺ら)全員の魔力集めて、何するつもりだ?お前。」 「それはお前もだ、全知ノ仔。ソロモンと赤本を手に入れ、何をしようとしている?」 少年の瞳の色は赤ではない、口調は柳井と最後に戦り合った時から元に戻っていた。 「お前に言う義理はねぇよ。」 神威のオッドアイはキッ、と鋭かった。 ィリンッ。 千人斬の能力により、神威のうなじに刀が伸びた。 「ヤメとけよ、ルシフェル。」 ヒュン。 カィン! 即座に首を捻って避けた、流石の【千里眼】である。 「俺の‘‘眼”を忘れたわけじゃねぇだろ?」 「あぁ、試しただけさ。」 敵なのか味方なのか、2人の心の内は未だに探れない。
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