第32話ーLion Heartー

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ヴゥンッ! 「…っ?」 光の障壁が、‘‘2枚”展開していた。 1枚目は無残にも突破され、2枚目がヒビ割れながらも何とか受け止めカイを守っていた。 「助かったぜ。ノア、‘‘タケウチ”。」 「‘‘タテウジ”です。」 「驚いたな、僕のエクスカリバーと沙耶ちゃん2人掛かりでギリギリとは。」 大輔は舌打ち、サリエルとノア達、2つの勢力から距離を取る。 もう、苛立ちを隠せない。 「何でですか、ノアさん…!こいつは、こいつは殺すべきだ!」 「落ち着くんだ大輔くん。」 血走ったその瞳は、戦闘時のネコ科の獣にも似ていた。 「大輔!俺らもいる!ここは落ち着いて…」 「光輝も、レオンと、若槻も、ロードも、大人のみんなも、 …そっか。みんな、みんなそうだったんだ、」 『?』 この時、ようやくその場にいたサリエル以外の人間が気付いた。 大輔の瞳の色を何かに例えるとしよう、それは、ピッタリそのまま1つ当てはまるモノがあった。 「…アクマ?」 若槻の消え入る呟きは、大輔の不吉な表情をより一層際立たせた。 「ミンナ、リサの命をネらってタんダロう?ソう、そうだッたんダ?」 「大輔…?おい!シッカリしろよ!?」 もう、親友の声も届かない。 「オまえラが、ヨッてたかって、りサをコろしタンだろ……!?」 『……!!』 目から溢れた涙は、天力の所為か赤く見えた。
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