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ヴゥンッ!
「…っ?」
光の障壁が、‘‘2枚”展開していた。
1枚目は無残にも突破され、2枚目がヒビ割れながらも何とか受け止めカイを守っていた。
「助かったぜ。ノア、‘‘タケウチ”。」
「‘‘タテウジ”です。」
「驚いたな、僕のエクスカリバーと沙耶ちゃん2人掛かりでギリギリとは。」
大輔は舌打ち、サリエルとノア達、2つの勢力から距離を取る。
もう、苛立ちを隠せない。
「何でですか、ノアさん…!こいつは、こいつは殺すべきだ!」
「落ち着くんだ大輔くん。」
血走ったその瞳は、戦闘時のネコ科の獣にも似ていた。
「大輔!俺らもいる!ここは落ち着いて…」
「光輝も、レオンと、若槻も、ロードも、大人のみんなも、
…そっか。みんな、みんなそうだったんだ、」
『?』
この時、ようやくその場にいたサリエル以外の人間が気付いた。
大輔の瞳の色を何かに例えるとしよう、それは、ピッタリそのまま1つ当てはまるモノがあった。
「…アクマ?」
若槻の消え入る呟きは、大輔の不吉な表情をより一層際立たせた。
「ミンナ、リサの命をネらってタんダロう?ソう、そうだッたんダ?」
「大輔…?おい!シッカリしろよ!?」
もう、親友の声も届かない。
「オまえラが、ヨッてたかって、りサをコろしタンだろ……!?」
『……!!』
目から溢れた涙は、天力の所為か赤く見えた。
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