第33話ー午前4時の殺し合いー

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ガキョ。 ソロモンの鍵が、パンドラの匣に差し込まれる。 ぎ、 そうして、開かれる禁忌の匣。 ズ。 現れた。 「アレが、」 「俺でさえも見るのは初めてだな。」 世界最悪の魔導書【アッピンの赤本】が、その全容を遂に明らかにした。 「これが、悪魔の魔導書…」 恍惚に見惚れる弥勒に、少年が手を差し出した。 「赤本を開け、俺が起動させる。」 興奮冷めやらぬその場で、赤本に魔力は注がれた。 ギュ、ォ、ズォ、シュルル、ゥオ… 放たれ、収束し、吸収され、溢れた。 ズカッ!!!!!!!!!!!!!!! 『!!』 絶望が、起動する。 「これだ、これを求めていた!!」 弥勒の手に乗っている赤本は、その姿を赤々と魔力で光り輝かせ、悍ましい何かを迸らせた。 「呼ぶぞ、悪魔を…!出でよ…!」 手が、止まった。 「ククククッ、」 少年が、笑っていたから。 「何がおかしい?君。」 「く、は、ハハハハ!テメェのその低脳な考え方がおかしくてなぁ!?」 「っ…?」 終わりは、もうすぐそこに来ていた。 「どういう意味だ!?答えろ!!」 「怖え怖え、流石は世界最悪の犯罪者。」 戯ける少年に弥勒は毅然と睨み続ける。 「来い、【FLFL】《フルフル》。」 召喚()んだのは、白ブレザーの少年だった。 ヴンッ。 その刹那、紫と赤を混ぜたような色の魔法陣が、地面に展開した。
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