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ズギャアッ!!
『!?』
魔法陣から放たれたのは、激しく爆ぜる稲妻。
『……下界に来たのは、何年振りか。』
「これが、ソロモンの悪魔…!」
上杉の前にいた、翼を備えた牛。尻尾は蛇だった。
「な、何故お前が、赤本を操れる…!?」
「ラグナロクの鍵となるのは、俺達霊能者だ。故に、赤本を操れるのも世界でたったの5人だけ。」
少年の手に、ソロモンの鍵とアッピンの赤本が握られていた。
「霊獣の魔力を持つ、霊能者こそが今は地球上で赤本を唯一操れる人物だ。」
「なっ…!?」
大どんでん返しが巻き起こった。
「もうイイ、戻れフルフル。」
『もう良いのか?手始めにこの辺りを雷で焼き払ってもイイのだぞ?』
「今日はまだその日じゃない、日を改める。」
『承知、我らが‘‘王”よ。』
少年は赤本に悪魔を戻すと、ボックスに本と鍵を収めた。
『………。』
場は、何とも言えない静寂が支配した。
「気分はどうだ?駿河 弥勒。」
「…………。」
何も返さない、いや、返せない。
「お前ら人間風情が、神の書物を操れるとでも思ったか?」
少年の口調は、また変化していた。
「っ…!」
今この瞬間より、第三勢力が戦場に勝鬨を上げていた。
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