43.終息

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今目の前で起こった事が信じられず、未だ現状を受け入れられずにいる。 地面に両手を付くと、コンクリートの冷えがじわじわと身体を侵食し、絶望となって這い上がってきた。 (なんだコレ…) 檜は地を見つめ、やがてその視界が霞んでいくのを感じた。 (疲れたって何だ…?) ついた手に、地面に、ひとつふたつと丸いシミが出来ていく。 それが自分の涙だと気付き、歯を食いしばった。 突如、喉奥から熱く込み上げるものを感じ、檜は地に伏せ、崩れ落ちた。 幸子が去ってしまった原因は、いくら考えても分からない。 ひとつ、分かるとしたら、彼女は自分に愛想を尽かした、ただそれだけで。 最初から上手くいく筈など無かった。 立場も年齢も何もかもがかけ離れた彼女を。  幸せに出来る。 …そんな材料など持ち合わせていなかったのだ。       続く…
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