22.恋人

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幸せそうに頬張る檜を、幸子は頬杖をつき、ジッと見つめる。 「あれ? 幸子、食わねーの?」 「…ん。食べるけど」 キラキラした瞳で、ゆったり微笑む様を見てキョトンとなる。 「これからは何も気にせず…。こうやって檜を見つめられるんだなぁ~と思ったら、嬉しくて」 「…ッ!!」 ドキッとした。 慌てて口の中の物を飲み込んだので、ついむせてしまう。 「だ…、大丈夫?」 ケホケホと咳き込み、首を縦に振る。 「…な。何、いきなり??」 コップに口をつけ牛乳を流し込んだ。 赤くなる檜を見て、彼女はクスクスと笑っている。 「…ねぇ?」 「ん…?」 「檜は気付いてなかったけど。あたし、いつからあなたを好きだったと思う…?」 「…え」 どんな反応を取ればいいか分からず、言葉に詰まる。 「…つか。そんな素振り全然見せなかったじゃん?」 幸子は口元に手を当て、得意そうにふふっと笑う。 「じゃああたし。上手く振る舞えてたんだ?」 ポリポリ首筋を掻いていると、彼女は笑みを浮かべたまま目を伏せた。 ほんのりと染まるピンク色の頬が可愛らしい。 「…最初に気になり出したのは…。6月のキャンプの後」 ふと表情が固まった。 「は…??!」
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