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幸せそうに頬張る檜を、幸子は頬杖をつき、ジッと見つめる。
「あれ? 幸子、食わねーの?」
「…ん。食べるけど」
キラキラした瞳で、ゆったり微笑む様を見てキョトンとなる。
「これからは何も気にせず…。こうやって檜を見つめられるんだなぁ~と思ったら、嬉しくて」
「…ッ!!」
ドキッとした。
慌てて口の中の物を飲み込んだので、ついむせてしまう。
「だ…、大丈夫?」
ケホケホと咳き込み、首を縦に振る。
「…な。何、いきなり??」
コップに口をつけ牛乳を流し込んだ。
赤くなる檜を見て、彼女はクスクスと笑っている。
「…ねぇ?」
「ん…?」
「檜は気付いてなかったけど。あたし、いつからあなたを好きだったと思う…?」
「…え」
どんな反応を取ればいいか分からず、言葉に詰まる。
「…つか。そんな素振り全然見せなかったじゃん?」
幸子は口元に手を当て、得意そうにふふっと笑う。
「じゃああたし。上手く振る舞えてたんだ?」
ポリポリ首筋を掻いていると、彼女は笑みを浮かべたまま目を伏せた。
ほんのりと染まるピンク色の頬が可愛らしい。
「…最初に気になり出したのは…。6月のキャンプの後」
ふと表情が固まった。
「は…??!」
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