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静寂の空間に、互いの吐息が混ざり合う。
時折漏れるため息ともつかない声に耳を傾け、檜はゆっくりと…それでいて丹念に、彼女への愛撫を繰り返した。
彼女の敏感な場所を探り当て、指でなぞったり舌を這わせたりすると、ビクンとその体が反応する。
床へ無造作に脱ぎ捨てられた衣類。
ガラステーブルに並んだ食べかけの食事。
幸子が作った料理を食べながら、笑い合っていたのがつい1時間前。
お手製のハンバーグに舌鼓を打ち、檜は顔を緩ませた。
会話が途切れると、どちらからともなくキスをし、抱き付く彼女を抱えてベッドに潜り込んだ。
睫を伏せ上気した顔を覗き込み、檜は彼女の膝を割った。
表情を窺いながらゆっくり腰を沈めると、幸子は若干眉をひそめた。
「ごめん…。痛い?」
動きを止めてそう訊くと、彼女は小さく頭を振った。
「だい…じょうぶ、だから…っ、お願いっ。続けて…?」
熱を帯びた眼差しと絡み合い、檜は更に深く、奥へと沈んだ。
「…っ」
ため息混じりの吐息が頬にかかる。
檜は彼女の顔を見つめながら、ゆっくり動き始めた。
動く度、ベッドがギシギシと軋んだ。
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