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館内は静まり返っていた。
生徒らは皆、一様に檜を見つめ、言葉を無くしている。
中には呆れ返り、最早何も言えない、という生徒もいた。
しかし。
その中からスッとひとつの手が挙がり、
「俺は檜の意見に賛成だ」
と声がした。
檜は声の上がった3年1組を見つめ、ポツリと呟いた。
「…内田」
「教師も人間、男と女なら、互いに意識してそれが恋愛感情に変わっても何ら不思議は無い」
「はい! 俺も! 檜とウッチーの意見に賛成~!」
内田の意見に導かれ、俺も私も、と3年生を中心に次々と手が挙がる。
無茶苦茶だなぁ、と頬を緩め、カイも迷わず挙手をする。
そうだそうだ、と賛同する声の上がる中、奈々も躊躇いがちに手を挙げた。
檜はその状況を見て、僅かに胸を撫で下ろす。
そして隣りに顔を向け、落ち着いた口調で言った。
「さっき校長先生が言ってた処分だけど。
桜庭先生が今回、退職すると言うなら、俺も一緒に学校を辞めます。
先生だけが一方的に罪を被るなんて、そんなのおかしい」
その意見に、斉藤里沙はあからさまに顔をしかめた。
失言だ、と言わんばかりに頭を抱えている。
校長は困惑して髪を撫でつけた。
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