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「いち…お前、あーちゃんに縄つけとけよ」
「自分にできないこと、俺に求めてもさぁ…」
「だよな。要は、あのバカ兄貴が悪いんだよな」
「とっくんは忙しいから、仕方ないと思う…よ?」
「本気で言ってるか?」
「っていうか、とっくんでも、ねーちゃんは止められないと思う…」
「……」
はあ。
と。
同意したいけどそれも申し訳ないんだよなって。
ウチの姉貴に気を使った溜息をふぅちゃんが吐く。
暇を持て余した姉貴は最近、いろんなイベントを手伝うボランティアをしている。
その中で引き受けたらしい、今回のイベント。
クリスマス・ラン。
クリスマス近くの休日に、近くの河川敷で行われる、楽しく走りましょうのイベントで、クリスマスにちなんだコスプレをしたランナーたちが走る。
最近、参加者が少し少ないから、てこ入れをしたいんだって言ってた。
それで、俺やふぅちゃんまで引っ張り出されたというわけだ。
俺なんて、旅先からの強制帰還命令だよ。
このイベントのためだけに!
「似合うよ~、ふぅちゃん」
「そう思うなら、お前が変われ」
「俺、ふぅちゃんほど白ずくめ似合わねぇもん」
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