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じーっと、ふぅちゃんを眺めていたその人が、ああ、と納得した顔をする。
「ホントだ、椎だ」
「何、お前見えてないの?」
「こんなこっぱずかしい格好、正気じゃできねえだろ」
「まあ…」
「だから、こいつのと取り換えた」
こいつって、ミニスカサンタがモミの木を指さす。
「俺がやだって言ってたら、陣がメガネ外して着てくれるっていうからさ~」
頼んじゃった。
って、笑っているけれど。
ウチの姉がスイマセン、申し訳ありませんって。
ものっすごく、申し訳ない気分になった。
「すまん」
俺が思ったのと同時くらいに、申し訳なさそうに、ふぅちゃんが言った。
「ん?」
「なにが?」
モミの木とミニスカサンタが首を傾げる。
「ウチの兄貴がちゃんとあーちゃ…あの人、捕まえてれば、お前たちに先輩命令、出なかったと思う…」
「ああ…」
ミニスカサンタの方が何かを言いよどんだら、隣からモミの木が元気に言い切った。
「それはそれじゃん?いいんだよ、祭りは楽しかったらいいんだしさ~」
「あー、まあ、な」
ミニスカサンタも、歯切れ悪く同意してたけど、それって…
「加治、笠原に衣装変えてもらってるお前が言うことじゃないと思う…」
ふぅちゃんが、苦笑しながらそう言った。
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