クリスマスはお祭り騒ぎ

4/5
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
じーっと、ふぅちゃんを眺めていたその人が、ああ、と納得した顔をする。 「ホントだ、椎だ」 「何、お前見えてないの?」 「こんなこっぱずかしい格好、正気じゃできねえだろ」 「まあ…」 「だから、こいつのと取り換えた」 こいつって、ミニスカサンタがモミの木を指さす。 「俺がやだって言ってたら、陣がメガネ外して着てくれるっていうからさ~」 頼んじゃった。 って、笑っているけれど。 ウチの姉がスイマセン、申し訳ありませんって。 ものっすごく、申し訳ない気分になった。 「すまん」 俺が思ったのと同時くらいに、申し訳なさそうに、ふぅちゃんが言った。 「ん?」 「なにが?」 モミの木とミニスカサンタが首を傾げる。 「ウチの兄貴がちゃんとあーちゃ…あの人、捕まえてれば、お前たちに先輩命令、出なかったと思う…」 「ああ…」 ミニスカサンタの方が何かを言いよどんだら、隣からモミの木が元気に言い切った。 「それはそれじゃん?いいんだよ、祭りは楽しかったらいいんだしさ~」 「あー、まあ、な」 ミニスカサンタも、歯切れ悪く同意してたけど、それって… 「加治、笠原に衣装変えてもらってるお前が言うことじゃないと思う…」 ふぅちゃんが、苦笑しながらそう言った。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!