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『もしもし。まどかちゃん、さっきは言い過ぎてしまった。本当にゴメン』
またもや予想外の言葉に、まどかは困惑してしまう。
「こ……こちらこそ、すいませんでした。では、…」
『-とりあえずデートに付き合ってよ』
「っえ…!?何を言って…私なんかと…」
『明日、迎えに行く。』
「はあ?!ちょっと待って無理!!私の家も知らないくせにっ」
『ちゃんと春菜さんに聞いたし、10時に行くから。』
そう言って電話はきれてしまった。
「え……デート?…うそ、、。全く実感が無い。」
デートに誘われたら、もっとソワソワするものかと思っていたのに。
そう言えば春菜と山崎さんって同じ名字なんだな。
デートって何するんだろ。
まどかは、色々と頭の中で思いをめぐらせながら夢の中へ……。
デートの実感が無いせいか、まどかはグッスリと眠っている。
翌朝-。
まどかは色気もない服を身に纏って山崎さんの迎えを待っていた。
時計の針は、もうすぐ10時になろうとしている。
携帯電話には山崎さんからのメールが届いていた。
「もうすぐ着く」
何とも無機質なメールに、まどかは溜め息をついた。
「本当に迎えにくるんだ…」
鏡の前で自分の姿を見るも、どう見ても魅力の欠片も感じられない。
「騙されて…ないよね…」
不意に着信音がなり始めると、まどかは窓の外を眺めた。
家の前には黒い高級車が停まっている。
「…え…。うそ…」
まどかは、電話に出るのも忘れる程に驚いていた。
「私なんかと釣り合ってる気がしない…」
着信音が鳴りやむと、すぐに再び着信音が鳴り始める。
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