第1章

9/21
前へ
/21ページ
次へ
まどかは、ゆっくりと山崎さんを見つめてしまう。 「私の…本当の魅力?」 驚いている まどかの横で、ハンドルを握りながら山崎さんは小さく呟いた。 「デートの予定は変更する」 山崎さんは携帯電話を片手に、女性ファッション雑誌の名前や服の名前を話している。 電話が終わると、車はビルの一角に入っていく。 「あの……ここって…」 「まどかちゃんも一緒に来て」 山崎さんは真剣な表情のまま話している。 「……はい。」 ビルの中は、とても綺麗な内装だった。 受付には、いかにもイケメンという男の人が立っている。 「よお、山崎。電話で言ってたの、この子やな?」 山崎さんとは正反対で軽そうな印象で、さらに関西弁で まどかの警戒心を煽っていた。 「あの……山崎さん、私 には場違いです。」 受付には有名な雑誌の名前が書かれていた。 案内板にはスタジオの場所、メイク室の案内が記されている。 「まどかちゃんの本当の魅力、自分で確かめてみると良いよ。」 そう言い残すと、ビルの外へと行ってしまった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加