一両目 おばあちゃんのバタークリームケーキ

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14曲目にしてようやく「これかも」と日万里ちゃんは反応した。 “♪タンターンタン スチャチャスチャチャ タンターンタン スチャチャスチャチャ♪” 「これは金沢文庫駅で流れる「MY HOME TOWN」だ」 曳野は確認するよう何度も流した。 “♪タンターンタン スチャチャスチャチャ タンターンタン スチャチャスチャチャ♪” “♪タンターンタン スチャチャスチャチャ タンターンタン スチャチャスチャチャ♪” 「やっぱりそうです! これです!」 日万里ちゃんが自信満々に答えたので、一同ホッとため息をついた。 「じゃあ今度はおばあちゃんの家に行ってみよう」 「駅までいければ、あとは一人で行けます」 「迷子になってもいけないのでおじさんが連れていってあげるよ。といってもおうちの人に黙って行く事はやはりまずいので、お母さんが無理でも一緒に住んでいるおばあちゃんかおじいちゃんの許可を貰ってね」 「でも…」 祖父母にも知られたくないようで日万里ちゃんは表情が暗くなった。 「分かった。おうちの人には内緒で早速行ってみよう」 どんどん行動する曳野。 『親に言わなくていいのかな』 ウサミミはちょっと心配。 曳野は日万里ちゃんを連れて出発。 大家の孫は一緒に行かないでマンションの前でバイバイと手を振って別れた。 ウサミミも付いていく。 曳野が誘拐犯に間違われないように。
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