序章

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「あなたは恋をしていますね?」 放課後、校舎裏に呼び出された俺は目の前に立っている男に突然こう言われた。 まったくもって意味がわからない 現状が把握できないので、状況整理しよう。 今日の朝、一通のメールがきた。 内容は「突然すみません。お話があるので今日の放課後校舎裏まで来て欲しいです。待ってます。」 知らないアドレスだったので誰か訊き返そうと返信しようとしたタイミングで始業だったのでその時は諦めた そっからつまりはまぁ...放課後まで忘れてた。 告白じゃないかとか思ってたので深く考えず校舎裏に向かった そして今に至る。 予想では目の前には可愛い女の子が立っていて、頬を赤らめながら告白してくるイメージだった。 しかし現実は目の前に立っているのは男である。 いや、男と断定するにはいささか顔が整いすぎてるが、制服は男子用だし背も高い こんな男子うちの学校に居たかな?覚えがない。他学年か 相手が男であるより問題なのは言われた言葉である。 「なんで...」 知っているのか。といいかけて止めた カマかけられているのかもしれない。現状を整理したいま俺は冷静だ。 「誰だよお前、名前は。なんで俺のアドレス知ってんだよ。」 「あぁごめんなさい。私は3年の斉藤といいます。」 うわ先輩かよ。俺は2年だ 「アドレスは...ちょっとコネを使って知りました。それ以上はちょっと答えられません。ごめんなさい。」 丁寧に謝られたが怪しさはMAXだ 「そっちがちゃんと質問に答えないなら、こっちも答えてやる義理はないっすよね」 「いや。あなたは恋をしています。クラスは...確か3組の橘さん」 カマかけてるわけじゃないことは判った。この男、斉藤さんがいってることは事実だ。 「わかりました。話を進めてくださいよ。俺が橘のことが好きで、それがどうしたって言うんですか」 「ご理解いただけて嬉しいです。では、率直に言いましょう。あなたの恋は失敗に終わります。」 「は?」
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