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「何を根拠に言ってるんですか?失礼っすよ?」
「気を悪くしたならごめんなさい。根拠、ですよね。そうですね...あなたが中学3年生のとき修学旅行で橘さんに告白しようとしましたよね?」
斉藤が言ったことは事実ではあるが誰にも言った覚えはなかった。楓のことを好きであることすら誰にも相談したことは無かった
「何でそんなことまで知って...」
「最後まで聞いてください。そのときあなたは告白しなかった。もしあのとき告白していたら失敗していました。彼女には他に好きな人がいた。それにあなたのことを恋愛対象としてみていない。」
「だから...なんでそんなことまで判るんだよ!」
「見たからです。今まで言ったすべてのことを」
「は？わけわかんねぇ。橘に聞いたのか？」
「見た。といっているでしょう？根拠は十分でしょう。ここからが本題です。あなたの恋。成功に導いて差し上げます。」
「まじでわけわかんねぇ！なにがしたいんだよ！」
「あなたの恋が成功する未来が見たい。それだけです。」
斉藤は表情一つ変えずにそう言い放った。無表情なのが逆に癇に障る。
本当に謎だ。初対面の赤の他人の恋を成就させたいなんて胡散臭さしかない
「信用できるかよ。本当の目的を言えよ。」
「先ほど言ったとおりなのですが...このままじゃ埒が明きませんね。
そうだ、じゃあこうしましょう。だまされたと思って一度だけ私の言うとおりにしてみてください。」
「内容による。」
俺はいま斉藤に弱みを握られているようなものだ下手に刺激しすぎるとどう出てくるかわからない
「わかってくれて嬉しいです。なに、やることは簡単ですよ。」
このとき初めて斉藤が笑った。
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