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「宗教法人の顧客はどんな奴が多い?」
「ほぼ女です。主婦なんかは金づるにされていました。今頃は寺の敷地がビル工事に入ってパニックになっていることでしょう」
「ビルにするのか?」
「いい機会なので墓の販売に着手しました」
「佐竹・・・・抜け目ないな」
「いい資金源になると思います」
ふたりは顔を見合わせて笑みを零した。阿吽の呼吸と言おうか二人三脚なんだ。オヤジが考えたことを佐竹がどんどん具現化する。対等なビジネスパートナーだと言える。
俺は拳をギュッと握りしめた。自分は蚊帳の外だということに悔しさを覚えた。
「そう云えば雪兎にクサ嗅がせた奴は誰だ」
「それは・・・・俺の学校の奴だ。俺が調べて必ず落とし前をつける」
「ダチかもしれないんだったな」
「作った奴はダチだった。でも脅されているんだ。犯人は俺が突き止める」
「相手はお前が組長と知って仕掛けてきている。心当たりはあるのか?」
「佐竹に身体検査してもらったけど組関係の子供はいなかった」
「じゃあウチに尋ねてきた奴も脅されていたかもしれないのか?」
「ああ」
「じゃあ、お前の学校の事はお前に任せたぞ」
「はい」
小さな範囲の事なのにまだ調べられていない。自分の不甲斐なさに腹が立つ。
「洋次は潜入しているな。相手方の動きはどうだ」
「新年会は滞りなく行われました。ハーブの製造拠点をもっと増やすように指示を出しています。ヤクのルートを潰されたことにえらくキレてました。焦ってきています。畳み掛けて次々と繰り出したほうがいいと思います」
「そうだな、焦らせてミスを誘えば勝手に自滅していくかもしれない」
「はい」
「次の手を考えてある。小松川はそのまま不動産100%介入し7割の成果をあげろ」
「はい」
「桂斗は学校の方を中心に。ハーブの事詳しいそうだな。何かと協力してやってくれ」
「わかった」
「佐竹は桂斗のフォローと、洋次のフォロー」
「了解しました」
「洋次はそのまま潜って逐一報告して来い。そう云えばウチに居る密通者の目星はついたか?」
「だいたいの目星はっついたのですが・・・・決定打に欠けます」
「そうか、引き続き探すように」
「わかりました」
オヤジはテーブルに手をバンとついて立ち上がった。
「以上だ。各自仕事に励め」
「はい」
威勢のいい返事が響いて会合は終了する。
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