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トイレに入ると鍵を閉めた。
動悸が激しいし、躰のあちこちがジンジンと妙な熱を帯びている。
俺のモノは勝手に成長して、ズボンを窮屈そうに押し上げていた。
「オヤジの家でなに盛ってんだか・・・・・」
ズボンを下げて自分のモノに手を伸ばす。他人の家に来て抜く羽目になるなんて・・・・・なんでこんな自分になってしまったのか。恥ずかしい。
「うっ・・・・ふ・・・・んン・・・・・はぁ・・・・」
自分の感じるポイントは知り尽くしているのに、この頃思うようじゃない。早くしないと変だと思われる。そう焦れば焦るほど絶頂感はピークを超えない。
「くっ・・・・くそっ・・・・ダメ・・・・あっ・・・・」
シャツのボタンを開けて小さな胸の粒を晒す。さっきからシャツに擦れてすっかり熟れて主張している。
左手を這わせて親指と人差し指で粒を挟み込んだ。
「はぅ・・・・あっ・・・・きもち・・・い・・・・」
佐竹だったら・・・・俺にどう触れたかな・・・・バイトの時にしゃぶって抜いてくれたけど・・・・躰に触れてくれたのは・・・・・ずっと前だ。
アイツに頼ってどうする・・・・・自立しなきゃ。
俺の事なんか・・・・・・何とも思っていないのに、そんなことさせちゃいけないんだ。
「桂斗、遅くない?」
「・・・・・・詰まってんじゃね?」
虎太郎はケーキを食べ終わってブラックコーヒーを啜っていた。
「・・・・僕、心配だから見に行ってくる」
「やめろよ。踏ん張ってんだから、そっとしておけって」
ふたりが押し問答をし始めると佐竹が割って入った。
「私が見てきます」
すっと立ち上がってトイレに向かう。
トントン・・・・・
「こんな時に・・・・来るんじゃねぇ」
ドアを叩く音で佐竹だとわかる。
こんなところに現れやがって・・・・情けなくて仕方なくなるじゃないか。
「坊ちゃん、おなか壊しましたか?」
「違う、大丈夫だ。あっち・・・・いけ・・・・」
「もしかして・・・・抜けませんか?」
その問いに絶句してしまう。なんでも察していいもんじゃない。
「スルーしろよ。自分でする」
「そう、ですか」
佐竹が遠ざかっていくのがわかる。よりによってこんなみっともない姿を晒さなきゃならないなんて・・・・今日は最悪だ。
俺は結局、自分ではイケなかった。
必死に化学式を口で唱えながら、躰が冷めていくのを待って、リビングに戻る。そのあと、俺はできるだけ笑って場を和ます努力をした。
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