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「他人のケツをジロジロ見ないでください」
「結構細いんだな。上半身マッチョなのに」
「スクワットして足腰鍛える手もありますが、あまり足回り鍛えすぎると機動性に欠けますから」
「ふぅーん、そんなもんなんだな。俺も上半身中心にしようかな」
「あまり大きくし過ぎてもバランスが悪いです。要はトータルバランスです」
「俺も細身のジーンズ買お」
「貴方はダメですっ!」
「なんで?自分も履いてるくせに、なんでダメなんだよ」
「狙われるから・・・・・」
「俺なんか狙う・・・・ん・・・・狙うのかな~」
昨日の榎田を思い出したらそれ以上言えなくなった。別にいいケツなんかしてないし、俺見て発情する男がいるわけないと思ったんだけど・・・・。
「貴方はストレート以上、できればオーバーオールとかにして欲しいくらいです」
「あんなの似合わねぇよ。カッコ悪い」
「かわいいと思いますよ」
可愛いって本気で言ってるのか?どうせ心の中で嗤ってるんだろ。
結局、佐竹セレクトで出かけることになった。
車はいつも通りのベンツ・・・・でも今日はいつもと違うことをしてやろう。
いつも通り佐竹が後部座席のドアを開けた。
そうやすやすといつも通りにしてやるもんか!自分一人だけでもデート気分を満喫してやる。
アイツにケツアタックしてよろけたところで、すかさず助手席に乗り込む。
「なっ、坊ちゃん。そちらの席は・・・・」
「いいだろ、たまには・・・・・」
舌を出してあっかんべーしてやった。ざまあみろっ!
「はぁ・・・・仕方ないですね」
運転席に仕方なく乗り込んで車は出発する。
ウチから走ること1時間ほど、河を越えてだいぶ緑が多くなってきた。
森林浴デートか、公園デートか?
郊外型の商業施設でアウトレットの服を買って着替えさせられた。
なんだかジャニーズ系で恥ずかしい。この腰に巻いたチェックのシャツはスカートみたいでかっこ悪くないか?
「カッコいいですよ。高校生らしいし、爽やかだ」
「あそ、サンキュ」
なんだかすごく照れる。こんな近くで、それも本人にそんな言葉言うかなぁ。
「寒くないですか?マフラーいります?」
そう云うと、アイツは俺が買った黒に紫の線の入ったマフラーを巻いてくれた。
佐竹の匂いがする・・・・・すごく安心するかも。
毎日してくれているのだろうか。
俺が買ったってわからなくてもなんだかうれしい。
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