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「うわっ!あの雲の舟って言うのに乗せてもらえるんですか!?」
千秋がパッと表情を明るくして嬉しそうにする。
「あぁ。良いぜ!
元は七福神の特殊時空移動戦艦なわけで、一艘の定員は七座席しかねーんだけど。
俺とサクヤとトゲだろ?
で、ノノと一平と千秋に…ちょうどピッタンコだ!アラシも来いよ!
ちょっとは気晴らしした方が、神力も早く回復すっだろ?
だはは。俺らって神気リハビリ中の仲間だなぁ~」
「ちょっと待ってくんない?」
一平が少し上目遣いでカノエを見上げつつ。
「ん…?どうした?一平?」
「僕…、あの雲の舟は七福神系でないと操縦できないって聞いたんだけどさぁ…?」
「あぁ。そうだぜ?
七福神系の神気じゃねーと、このキーが起動できねーの。
俺、男弁天だぜ?それだけ聞いたらアラシにも負けねーくれぇの男の娘(オトコノコ)かって思われちゃうかもしんねぇ男の弁財天よ!
雲の舟ぐらい俺だって運転できちゃうんだからねっ!」
「いや…。
そんだけビシッとヘビメタをカッコ良くキメながらそんな可愛く言われても、これで本当に可愛いとか思っちゃったらむしろ罪になりそうな気がするんだけど…」
「んじゃ、あんだよ。
面白ぇから見てたけどよ?そろそろサクヤを止めてやんなきゃ…トゲ今にも泣きそうだぜ?
用が有んなら、早く言えよ」
「ウチにはずっと雲の舟…無かったんだよね!?」
「当ったり前ぇじゃん!あれ、メンテナンスとかの維持費だけで毎月とんでもねぇ資金が必要になってくるんだぜ?自家用時空戦艦なんだもんよ!?
そんなとんでもねぇ代物を通学に使っちまおうって発想しちまう段階で充分ビックリなのによ?それを実際に自力で話をまとめてきちまったお前が…たまに俺は怖ぇ…」
「それ、誉めてんの?
それとも僕、何か余計なことしちゃったの?
んもぅ…。なんか結局いっつも最後には僕ばっか損してる気がするんだよなぁ…。
ハァ~…。
ま、一旦それは横に置いといて!もっと強く生きてくよ!僕、オバケだけど!」
「それ以上は強くなんねーでくれ!
俺が負けちまう!つか頭脳戦じゃもう既に敵わねー!」
「お父さん!」
カノエが途端に目尻をトロッと垂らして。
「ぉ…おぅ!」
一平にお父さんと呼んで貰え、嬉しすぎてヘビメタでクネクネ。
「ズバリ!
ペーパードライバー歴…何年!?」
「ん~…。まだ千二百年は経ってねーと思うけど?」
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