神様たちの朝

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トゲが登校して、退寮の手続きも完了させたカノエが三兄弟とアラシにのんびりと言う。 「さーて。 こっちはこれで完了だな。 これからどっか行かねーか?お前ら、行きたい場所とかねーの?何たって、雲の舟が有っからな! 俺の華麗なドライビング・テクニックが冴えるぜ!」 乾いた笑いを浮かべる四人を余所に、カノエは上機嫌である。 答えたのは千秋。 「そうですねぇ…。取り敢えず…お社にはまだ帰りたくないかな…。 たぶん…命婦さまとかもう着いてそうだし…。またシュミさまとバチバチするんだろうなぁ…。 ちょっと怖いかも…」 そんな千秋に、一平がカラリと。 「何でぇ?面白いじゃん」 一平は命婦とシュミのバトルを面白がっている。 ノノは一平と手を繋いで歩きつつ、周囲を物珍しそうにキョロキョロしている。特にご希望は無さそうだ。 アラシも黙ってニコニコ付いてきていて、思い付きみたいな外出を肩肘張らずに楽しんでいるみたいだ。 だから、カノエが。 「んじゃよ?アラシの実家に行ってみねーか?」 「はっ!?ウチですかっ!?」 油断していたアラシがビックリして聞き返した。 「母ちゃんの容態も気になっだろ?母ちゃんだってお前が居ないと心細いんじゃね?安心させてやったら良いじゃんか。 いずれお前をウチで召し抱えんなら、どんなトコで育ったのか俺も見ておきてーしよ?」 「カノエさま…」 アラシ、ちょっと感動。 改めてこの御家に仕官したいと思いを強くした。 「大したおもてなしも出来ませんけど、それでも宜しければ…どうぞ」 「別に茶の一杯でも出してくれたら良いよ。お前の母ちゃんの見舞いだもんよ。遊びに行くんじゃねーんだもん。 それより、俺…異端の君なんだけどよ…?行ったらむしろ迷惑とかになんね?大丈夫か?」 「迷惑だなんて!そんな!とんでもないです!母もきっと喜びます!」 「そっかぁ?…………。まぁ…、出来るだけ目立たないように行くからよ? んじゃ、見舞いの手土産は適当に途中で買って…」 「いえいえ。 どうぞ、お気遣い無く…」 「そーもいかねーだろ」 次の目的地は、東北地方のアラシの実家の社に決定した。
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