780人が本棚に入れています
本棚に追加
「よーし。みんな乗ったな~?」
カノエが運転席で一同に声を掛けると、今度は助手席に乗ったノノが元気良く!
「あいっ!」
何やらワクワクしている。
片やその他の面々は…。
アラシは生唾を飲み、先ほどしたためた遺書を胸に何やら祈りだした。神様なのに神頼み…。
千秋はどこで覚えたのか、気絶する気孔を自ら突いて意識を飛ばした。
一平は…。
「お父さん!?安全運転で行こうよ!
ね?途中で事故なんてしたら、馬鹿らしいじゃん!…ね?」
必死に訴えていた。
「俺のハンドルには死角は無ぇ!
ガンガン攻めてやるぜっ!!!」
「ひゃっほーだのぉ───!」
「ノノくんも同調しないでよ…!
危ないから。ね?危ないからさ?」
「うにゅ…。
ちょびっとだけだの…」
「だーめ。ちょびっとも何も安全運転じゃないとダメだって!」
「うっせーよ。
運転すんのは俺だ。俺の好きなようにさせてもらうぜ!」
「アラシちゃん!アラシちゃんはオオクニさまの神子なんだよね!?七福神系だよね!?
運転替わって!頼むからっ!!!」
「ごめんなさい…。私…まだ教習所に通ってないから…無免許なの…」
「免許制なのっ!?
カノエさま、1200年ちゃんと更新してたのっ!?」
「事故起こさなきゃ自動更新されんだよ。俺、ペーパードライバーだったから事故りようがねーし」
「何その安全管理体制!?雲の舟って、一応小型戦艦なんでしょ!?何でそんなにユルいの!?」
「ととちゃま!」
「おぅ。どうした?ノノ」
「昇華したら、オラも運転してみたいだの!」
「そーかそーか。なら優しい教官が居る教習所、探しとかねーとな?」
「ノノくん!目が輝いてる!危ない感じで輝いてるよっ!?」
一平の必死の説得が聞き入れられる気配は今のところ…無い。
「んじゃ、発車オーライ!前よし!後ろよし!保険よし!
レッツ出発進行!!!」
「ひゃはっ!」
雲の舟が朝の光の中、勢い良く発進した。
最初のコメントを投稿しよう!