780人が本棚に入れています
本棚に追加
==== 建御名方の服従 ====
建御雷神が「事代主神は承知したが、他に意見を言う子はいるか」と大国主に訊ねると、大国主はもう一人の息子の建御名方神にも訊くよう言った。
その間に建御名方神がやって来て、「ここでひそひそ話すのは誰だ。それならば力競べをしようではないか」と建御雷神の手を掴んだ。
すると、建御雷神は手をつららに変化させ、さらに剣に変化させた。
逆に建御雷神が建御名方神の手を掴むと、葦の若葉を摘むように握りつぶして投げつけたので、建御名方神は逃げ出した。
建御雷神は建御名方神を追いかけ、信濃国の諏訪湖まで追いつめた。
建御名方神は逃げきれないと思い、「この地から出ないし、大国主神や事代主神が言った通りだ。
葦原の国は神子に奉るから殺さないでくれ」と言った。
==== 大国主の国譲り ====
建御雷神は出雲に戻り、大国主神に再度訊ねた。
大国主神は「二人の息子が天津神に従うのなら、私もこの国を天津神に差し上げる。
その代わり、私の住む所として、天の御子が住むのと同じくらい大きな宮殿を建ててほしい。
そうすれば、私の子である国津神たち百八十神たちは、事代主神に従って天津神に背かないことだろう」と言った。
出雲国の多藝志(たぎし)の小濱に宮殿を建てて、たくさんの料理を奉った。
こうして建御雷神は天津神たちの悲願である葦原中国平定を成し遂げ、高天原に復命した。
最初のコメントを投稿しよう!