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「人族の関与だって…?」
反応したのはカノエだった。
「そりゃおかしいぜ?だってよ?お前を刺客にしたヤツって、要は俺とサクヤの実の子と変わらない神子になった千年の野のワラシを昇華させたくないヤツなんだろ?
まぁ…。一平の予測の範疇なんだけどよ…?
俺もサクヤも、人に恨まれるようなコト…無ぇと思うけど…?」
それには一平が即座に返す。
「嵐丸くんを刺客にした時と同じ手口かもよ?無関係な人の弱味とかにつけこんで仲間に引き入れるなんて、この黒幕にとっては朝飯前なんじゃないの?」
すると、嵐丸が厳しい表情で。
「でも…。
これって…医神の立場で見ると、また別の意味でも大事件だわ…」
「ん?どういうこと?」
一平が訊ねる横では、スクナが会心の笑みを浮かべた。
「人間社会の産物で、人間の手で神を病に侵す方法…。
こんな手口、今までの神族の医学史じゃ考えられない事だわ?
つまり…この新しい手口を使えば、下手をしたら完全犯罪で人が神を暗殺とかする事も不可能じゃなくなってくるかも知れないって事でしょ…?
神族と人族が築き上げてきたものを全て崩壊させて、今まで共存してきた神と人の間に大戦争を誘発させる原因にすらなる危険なものだわ。
………この黒幕なら、どんな応用を思い付いて仕掛けてくるか判らないじゃない…?
新しい犯罪の手口にされる前に封じられたら良いんだけど…、って言ってられないわね。何としても封じなきゃ…。
それに、これは具体的に治療するなら、やっぱり人の手を借りないと根本的に完治させられないわ…?
現世では人族が圧倒的に優位になってくる…。
万が一、現世で人族が神族を支配しようとしたら、神々はこの世から逃れて神の国に閉じこもってしまうでしょうね。
神のいない世界…。
恐ろしい未来になってしまうわ…」
「ちょっ…ちょっと待ってよ!
そうなったら…もしかしたら僕…黄泉の国から出られなくなっちゃうんじゃないの!?」
一平が焦って言うと、それを受けて千秋も。
「半神半人のノノくんは、もう少しで神様になるから神の国へ…?
なら…俺たち…バラバラになっちゃうじゃないか…」
そこでノノが『バラバラになっちゃう』という言葉でやっと状況をのみ込んで。
「はにゃっ!?
会えなくなっちゃうだのっ!?オラたち…引き離されちゃうだのっ!?」
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